当院では、毎週月曜日に乳幼児用(生後6か月から4才まで)コロナワクチンの接種を行います。乳幼児用ワクチンは5才以上を対象とする小児用コロナワクチンに比べ、以下の点が異なります。
乳幼児用(生後6か月から4才用) | 小児用(5才以上用) | |
接種量 | 0.2ml | 0.2ml |
接種回数 | 3回 | 2回 |
接種部位 | 1才未満は大腿、1才以上は三角筋 | 三角筋 |
外来では時々、乳幼児用コロナワクチンを打った方がよいか相談をうけることがあります。小児における新型コロナウイルス感染症が、RSV感染症や麻疹、水痘のような、これまでに知られたウイルス性疾患よりも重症ということは必ずしもありません(たとえば乳児に対しては、新型コロナウイルス感染症よりもRSV感染症のほうが疾病負担は重いです)。しかしそれでも、子ども達の感染が増えるにつれて小児の死亡例が明らかに増えており、ワクチン接種以外に有効な予防法のないことや、新型コロナウイルス感染症罹患後の後遺症に明らかでない点が多いこと、オミクロン株でも高齢者が罹患した場合の死亡率が0.3%と高く、新型コロナウイルス感染症が広がりやすい性質をもっていて社会全体としての疾病負担が大きいことから、私は、乳幼児用ワクチンは接種を積極的に検討してよいワクチンのひとつであると思います。
ただ、接種しないという判断も充分に尊重されるべきであり、そのほかのワクチンと同様に、接種しなかった子やその家族が差別を受けることはあってはなりません。そのため、乳幼児用ワクチン、小児用ワクチンとも、個別接種を基本として、かかりつけ医と充分に相談しながら、保護者が判断するように厚生労働省のホームページにも明記されています。
10月下旬から再びコロナウイルス感染症が増えており、熱のある方の受診が大幅に増えて外来は混雑しておりますが、接種を迷っていらっしゃるときには、どうぞ遠慮なく外来でおたずね下さい。