7月末から受診される方の目立っている手足口病については、引き続き当院でも多くみられ、熱のある患者さんでは、新型コロナ、手足口病、その他の上気道炎が多くなっています。
特に手足口病とわかった場合の、保育園・学校への登園の規則については、各疾患個別に登校基準を定めた「学校保健安全法」の第1種および第2種感染症には含まれておらず、出席停止についての明確な基準はありません。このため、保護者の方からは、いつから登園・登校できるかとの質問を多く受けます。2022年6月改訂版の日本小児科学会編「学校、幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説」では、手足口病の出席停止期間については「本人の全身状態が安定しており、発熱がなく、口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく普段の食事がとれる場合は登校(園)可能である。」と解説しています。当院では、上記を根拠に「熱が下がり、普段通りの食事がとれていれば、ブツブツが残っていても、登校してかまいません」とお伝えしています。これは、皮膚の浸出液からの感染可能性があるとしても、主な感染経路は飛沫と便であり、咳と鼻水からは1,2週間、便からは2週間から4週間、ときに数ヶ月の間、手足口病のウイルスが排出され続けるため、皮膚のブツブツからのウイルス排出を理由に登園または登校を制限することの合理的な理由がないためです。そのため、ブツブツが残っていても、登園・登校は行って良いと説明しています。ただし、おむつや便を扱ったあとは、せっけんを使って、流水で手を洗いましょうとお伝えしています。これは、手足口病のウイルスがアルコールで感染力を失わないためです。
当院では、日頃からなるべく丁寧に説明をしようと心がけておりますが、こちらが早口であったり、聞き取りにくくてわからなかった、ばたばたしていてご質問しにくいと感じることがありましたら、どうぞ事前に質問内容を問診票にかいていただくか、事後に看護スタッフまでお尋ね下さい。