私は普段、５つある診療室と通路の間を往復するばかりで、待合室をうかがう機会は少ないのですが、最近は、きっと診察室に絵本をおくようになったせいか、あるいは４月下旬で、こども園や保育園にデビューした子ども達で、胃腸炎やかぜをひいて受診されるかたが増えているせいか、待合室の賑やかな様子が伝わってきます。お母さんひとりがこども1人をつれてくる場合や、きょうだいをつれてくる割合を考えると、１５歳未満の割合は５０％を超えているでしょう。これは、日本の１５才未満人口である１１．５％を大幅に超えています。単に子ども達が多いというだけで賑やかなのかもしれません。ちなみに、私が３０年近く前に２年間を過ごしたザンビア国の１５才未満人口を調べると、なんと４２．８％です。驚いたことに、０～４歳の人口割合だけで１５％を超えていて、人口プラミッドがきれいな三角形になっています。たしかに、私が住んでいた３０年前も、家の中も外も子ども達ばかりで、町全体が小児科の待合室のような賑わいでした。かたや日本は、頭を上にしてぶら下げたほっけのひらきのようになっています。私は、子ども達が元気に笑っている様子から毎日たくさんのパワーをもらっていますが、国全体が小児科待合室のようであるなら、これからアフリカの時代になるといわれるのもわかります。国全体を明るくすることは難しいですが、当院にきてくれた子ども達には、笑顔で帰ってもらいたいと思いながら毎日の診療をしています。
ザンビアの人口ピラミッド（２０２２年推定）
日本の人口ピラミッド（２０２２年推定）
出典：PopulationPiramid.net