文部科学省は、「学習」には、聞く、読む、書く、話す、計算する、推論する、の6つの基本的な能力が必要だとしています。日々の学習では、これら6つの基本的能力を使って、次の3つのことを行っています。
1,見たものを理解して記憶し、表現する
2,聞いたものを理解して記憶し、表現する
3,記憶にあるものを元に考え、表現する
6つの基本的能力のひとつ、あるいは複数に障害があると、1,2,3のどれかがうまくいかず、「学習」の苦手感につながることがあります。同年齢の子どもたちと比べて、ご家庭での生活や遊びの場面では遅れは感じられないのに、学校では「成績が悪い、集中していない、話を聞いていない」といわれる場合には、これら6つの基本的能力がうまく習得できなかったり、使えなかったりしていることで、お子様が困っている場合があります。この状態を(文部省の定義による)「学習障害」といいます。「学習障害」は、教育における合理的配慮のひとつである「通級による指導」の対象です。医学的には「学習能力の特異的発達障害(ICD-10 F81)」または「限局性学習症(DSM-5)」にあたります。お子様が、より習得しやすい方法で学習することで、ご本人の困難感を減らせる場合がありますので、頑張れと叱咤激励するだけでなく、お子様がどこにつまづいているのか、一緒に考えてみましょう。
学習障害の児童に対する教育の合理的配慮の考え方については、以下のサイトが参考になります。