当院では、コロナウイルスを疑って受診される方はここ1週間見られませんが、咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症)や感染性胃腸炎、手足口病といった夏に多い感染症の子たちの受診が増えています。
幼児、小学生、中学生、高校生を対象として「学校保健安全法」という法律に、学校において予防すべき感染症(以下「学校感染症」)が記載されています。学校感染症の一部が「出席停止」となる感染症です。総説が以下のサイトに公開されています。
学校において予防すべき感染症の総説(日本学校保健会2018年3月版)
対象となるおもな疾患とその期間は以下のとおりです(正確な文言は上記サイトを参照)。
「〇〇した後〇日」という場合には、〇〇した日を0日として、その翌日を1日目と数えます。たとえば、月曜日に熱が下がったといったときには、火曜日が解熱後の第1日となります。
病名 | 出席停止の基準 | |
第一種学校感染症(エボラ出血熱など) | 治癒するまで | |
インフルエンザ | 発症後5日、かつ解熱後2日(幼児では3日)が経過するまで | |
百日咳 | 特有の咳が消失するまで、または、5日間の適正な抗菌薬による治療が終了するまで | |
麻疹(はしか) | 解熱した後3日を経過するまで | |
おたふくかぜ | 特有の腫脹が出現した後5日間を経過、かつ全身状態が良好となるまで | |
風疹 | 発疹が消失するまで | |
水痘(水ぼうそう) | すべての発疹が痂疲化するまで | |
咽頭結膜熱 | 主要症状が消失した後2日を経過するまで | |
結核 | 医師が感染の恐れがないと認めるまで | |
髄膜炎菌性髄膜炎 | 医師が感染の恐れがないと認めるまで | |
コレラ | 医師が感染の恐れがないと認めるまで | |
細菌性赤痢 | 医師が感染の恐れがないと認めるまで | |
腸管出血性大腸菌感染症 | 医師が感染の恐れがないと認めるまで | |
腸チフス | 医師が感染の恐れがないと認めるまで | |
パラチフス | 医師が感染の恐れがないと認めるまで | |
流行性角結膜炎 | 医師が感染の恐れがないと認めるまで | |
急性出血性結膜炎 | 医師が感染の恐れがないと認めるまで | |
溶連菌感染症 | 抗菌薬使用開始後24時間を経て全身状態がよければ登校可能 | |
ウイルス性肝炎 | A型・E型:肝機能正常化後登校可能 B型・C型:出席停止不要 | |
手足口病 | 発熱や喉頭・口腔の水疱・潰瘍を伴う急性期は出席停止、治癒期は全身状態が改善すれば登校可 | |
伝染性紅斑 | 発疹のみで全身状態がよければ登校可能 | |
ヘルパンギーナ | 発熱や喉頭・口腔の水疱・潰瘍を伴う急性期は出席停止、治癒期は全身状態が改善すれば登校可 | |
マイコプラズマ感染症 | 急性期は出席停止、全身状態がよければ出席可能 | |
感染性胃腸炎(流行性嘔吐下痢症) | 下痢・嘔吐症状が軽快し、全身状態が改善されれば登校可能 | |
アタマジラミ | 出席可能(タオル、くし、ブラシの共用は避ける) | |
伝染性軟属腫 | 出席可能(多発性発疹者はプールでのビート版の共用は避ける) | |
伝染性膿痂疹 | 出席可能(プール、入浴は避ける) |