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公開日:2022.08.10
乳幼児健診

ビタミンK2の3か月投与法

タグ: 健診

ビタミンKは、出血を止めるために必要なビタミンです。1か月健診時に飲む「ケイツーシロップ」としておなじみです。ビタミンKが不足するか、体内でビタミンKを使う働きに問題があると血が止まりにくくなり、消化管出血や皮下出血、頭蓋内出血などを起こします。これをビタミンK欠乏性出血症といいます。ビタミンK欠乏性出血症は、発症時期によって新生児ビタミンK欠乏性出血症と乳児ビタミンK欠乏性出血症の2つに分けられ、新生児では消化管出血と皮下出血が多いのに対して、乳児では6割以上が頭蓋内出血を起こし、予後の悪い疾患です。日本では、1999年1月から2004年12月までの6年間に全国調査が行われ、新生児ビタミンK欠乏性出血症が20例、乳児ビタミンK欠乏性出血症が71例報告されました。大多数が母乳栄養で、4例は混合栄養でした。ビタミンK投与歴がない乳児が8例、1回のみの投与が27例、2回の投与が15例、3回の投与が11例(当時は3回投与が主流)、不明が10例で、ビタミンKの投与回数が少ないほど、より多くの乳児ビタミンK欠乏性出血症の発症が報告されました。

このため、海外での知見と合わせ、2021年11月、日本小児科学会は他の学会と合同で、これまで国内で行われてきたビタミンKの3回投与法に替えて、欧米で行われている13回法を行うことを推奨しています。

13回法は、出生時と退院時(または生後1週間時点の早いほう)の2回に加えて、その後の11週間の計12週間、つまり生後3か月になるまで、週1回、1ml(2mg)のビタミンKを計13回、口から飲む方法です。1か月健診時に栄養の半分以上をミルクで栄養されている赤ちゃんでは、それ以降のビタミンK内服は終了してよいことになっています。当院では、1か月健診時に、赤ちゃんが生まれた病院でどのような内服方法をとられているのかを確認して、その後のビタミンKの内服について、一緒に決めてゆきます。

くわしくは、1か月健診で説明いたしますのでご安心下さい。

参考:「新生児と乳児のビタミンK欠乏性出血症発症予防に関する提言」(日本小児科学会2021年11月30日)
「新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対するビタミンK製剤投与の改訂ガイドライン(修正版)」(日本小児科学会)

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