小学校あるいは中学校への入学または進級にあたり、通常学級がよいのか、通級指導がよいのか、支援学級に在籍して交流学級を利用することがよいのか、それぞれの制度の趣旨がわかりにくく、判断に迷われることは多いと思います。令和4年度版の宮城県の「就学支援の手引き」に、制度の趣旨と該当となる障害の程度、個々の障害における適切な配慮と指導内容が説明してありますのでご紹介します。
「II. 障害のある子供の学びの場」には、対象となる障害のひとつひとつについて「教育の場」と教育内容が触れられています。特に、通級による指導については「子供の自立を目指し,障害による困難を改善・克服するため,一人一人の実態や状況に応じた学習内容を扱うものであり,在籍学級での学習の遅れを補ったり,授業の予習や復習を行ったりするものではありません」とされており、各教科の補助授業ではないことが記されています。これは、障害のある子どもも、適切な配慮や指導方法を工夫することで、通常の学級のなかで学習を行うことが望ましいとされているためです。通常の学級の中での適切な配慮の具体的な例としては、例えば学習障害では「支援員等を活用してチームティーチングや個別指導,学習の習熟度別指導など指導形態の工夫,教材教具の工夫を行います」とされています。
教育制度の本来の趣旨を理解した上で、医療、福祉、教育、ご家族が協力して、お子様の状況にあった学びの場を作ってゆきましょう。